上越市立小、6年後に3割の学校で複式学級 三郷小など6校で統合など検討

新潟県上越市教育委員会によると、上越市立の小学校は6年後の2028年度までに、全47校の3割に当たる16校に複式学級が生じる。市教委は三郷小と牧小(牧区)、下黒川小(柿崎区)のほか、里公小、上杉小、美守小(いずれも三和区)の計6校で、隣接校との統合を含めた将来の学校のあり方について保護者や地域住民との意見交換を進めている。

5年以内に新たに4校で複式学級

本年度は小学校10校に複式学級があり、このうち7校には複数ある。2028年度までに新たに6校に複式学級が生じ、市立小47校の3割に当たる16校にまで増加する見通しだ。このうち三郷小と北諏訪小、上下浜小(柿崎区)、宝田小(名立区)の4校は5年以内に発生する見込み==。

複式学級の増加は急速に進む児童数の減少による。市教委の推計では、本年度の市立小学校の児童数8617人に対し2028年度には7183人となり、16.6%減少する見込みだ。周辺部の13区では30%近く減少すると予想している=グラフ=。

表(上越市教育委員会作成資料)

中学校は10年以内に複式学級発生

中学校の生徒数は、本年度の4340人(県立直江津中等と上越教育大学付属中を含む)に対し12年後の2034年度には3342人となり、31.5%減少する。本年度中学校に複式学級はないが、10年以内に潮陵中、安塚中(安塚区)、大島中(大島区)、牧中(牧区)の4校で複式学級が生じる見通しだ。

グラフ(上越市教育委員会作成資料)

三郷小など6小学校と牧中であり方検討

市教委は2010年に、小中学校いずれも1学年2〜4学級とする適正配置基準を策定している。児童生徒の急速な減少に伴い2020年には、少なくとも1学年1学級以上の学習環境の確保を目指し「複式学級の解消」を重点取り組みに定めた。

具体的には複式学級が存在またはおおむね5年以内に発生が見込まれる学校の保護者や地域住民に対し、「隣接学校との統合」「合同授業などの複数校連携」「タブレット端末を活用した遠隔教育」「教職員の加配や巡回授業」の方策を提示し、複数を組み合わせて行う。市教委によると、三郷小、牧小、下黒川小、三和区内の3小の小学校計6校と牧中は、方策の実施に向けて保護者や地域住民との意見交換を行っている。話し合いを重視し、期限を定めず保護者や住民の意向を確認していくという。

小中学校の統合などの適正配置について報告された市議会文教経済常任委員会

2022年10月17日の上越市議会文教経済常任委員会所管事務調査で市川均教育部長は、「(学校が)地域の拠点や精神的支えであることは認識している。人口減少による状況変化を子どもだけでなく大人も認識して地域で考えていただき、しっかり行政も関わっていく。今の大人たちがいなくなった先の世界を地域と行政が一緒になって考えていきたい」と話した。

統廃合進む市立小中学校

少子化の影響で上越市内では近年、小学校の統廃合が進む。2013年度には谷浜小と桑取小が統合し新たな谷浜小が、柿崎区の下黒川小と黒川小が統合し新たな下黒川小がそれぞれ開校した。2017年度は浦川原区の下保倉小、中保倉小、末広小の3校が統合し浦川原小に、2018年度は小猿屋小と春日新田小の一部が統合し有田小となった。2021年度には板倉区の針小、宮嶋小、山部小の3校が統合し板倉小に、本年度は古城小が直江津小に編入された。

また安塚区の安塚中と大島区の大島中、浦川原区の浦川原中の3校は今年9月に統合実行委員会を設置し、浦川原中の校舎を使った新設統合で2024年4月の開校を目指し、具体的な検討が始まっている。

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