新潟県上越市の鈴木めぐみ市議(43)は2022年4月29日から5月1日の3日間、同市の施設を借りてイベントを開催し、来場者に食事などを無料で提供した。議員が選挙区内の人に利益供与する行為は公職選挙法(寄附行為の禁止)に抵触する恐れがあることから、市選挙管理委員会はイベント前に鈴木市議に対し注意していた。
鈴木市議は、同市の施設である「ライオン像のある館」(中央3)を借りて、自身が運営するいわゆる「子ども食堂」のイベントとして開催した。複数の親子連れ来場者に対しカレーライスを無料で提供したほか、ヘッドマッサージなどのサービスを無料で提供した。延べ100人が来場したという。
公職選挙法は、議員本人による選挙区内の人への寄附を禁じている(199条の2)ほか、議員が構成員である団体が、選挙区内の人に対し、氏名を表示したり、類推されたりする方法での寄附も禁じている(199条の3)。
鈴木市議は昨年8月、自身が代表を務める飲食店「子ども食堂たまごのめぐみ」を直江津駅前に開店。今回はこの店の連休のイベント「子ども食堂たまごのめぐみGWスペシャル」と題して開催した。
食事などを無料で提供する今回のイベントについて、鈴木市議がSNSなどで盛んにPRしていたことなどから、市選管は公職選挙法に抵触する可能性があるとしてイベント開催前の4月25日、鈴木市議に注意した。
鈴木市議は上越タウンジャーナルの取材に対し「企業から子ども食堂に寄付いただいたものを、子ども食堂として皆さんに提供した。選管から『行き過ぎたものは気を付けてください』と注意されたが、行き過ぎたとは思っていない。公職選挙法に抵触する恐れはないと思っている」と話している。