新潟県上越市の鈴木めぐみ市議会議員(43)が2022年2月、家庭ごみとみられる大量のプリントを自宅敷地で野焼きして焼き芋を作る様子をFacebookに投稿した。廃棄物の野外での焼却は違法なことから、投稿を見た市民からの通報を受けた市は鈴木議員に注意したが、鈴木議員は「実害は出ていませんよ」など違法ではないとの反論を投稿した。3月22日、上越タウンジャーナルが鈴木議員に取材したところ、「プライベートなことなのでコメントは控えたい」とだけ答え、投稿を削除した。
大量のプリント燃やす
鈴木議員は子供が学習塾で使ったプリントを野焼きして焼き芋を作った様子を、2月25日に写真や動画とともに自身のFacebookに投稿。「プリントを努力の証を見える化して山のように積み重ねてきました。教材卒業の一区切りとして、プリントを燃やして焼き芋大会をしました」と紹介し、少なくとも数百枚のプリントで焼き芋を作る動画をアップした。
野焼きは禁止 罰則も
家庭などで出る廃棄物の野外焼却は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で禁止されている。違反した場合は、5年以下の懲役や1000万円(法人は3億円)以下の罰金が科せられる。ただ、例外として塞(さい)の神など風俗慣習や宗教行事や暖をとるためのたき火や落ち葉たき、キャンプファイヤーの際の木くずの焼却は、少量であれば煙や臭いなど周辺に迷惑がかからないように行えば可能とされている。
市「法律示し注意した」
上越市生活環境課によると、たき付けとして紙を燃やすのはいいが、紙の処分目的で燃やすことは例外には当たらないとの見解だ。同課では「落ち葉や木くず、たき付け程度の紙ではなく、プリントを燃やしたとあったので、他の野焼きの通報と同様に鈴木議員に法律を提示して話をした」としている。
「ゴミもやしていいのか」「市議ならちゃんとしろ」
鈴木議員の投稿を見た市民からは次のようなコメントが寄せられた。
鈴木議員「実害ない」と独自の反論
鈴木議員は、「私としては塞の神のような感覚に近いと思います。(中略)子どもが一生懸命解いた“成果”を燃やせるゴミで出すなんて悲しくないですか」などと独自の反論を展開。「焼き芋作りの落ち葉代わりで教育活動の一環」「実害は出ていませんよ。たき火の範疇(はんちゅう)です」と強弁していた。
取材に応じず投稿削除
3月22日、鈴木議員は上越タウンジャーナルに対し、「プライベートなことなのでコメントは控えたい」と取材には一切答えなかった。取材後、投稿は削除されていた。
プリントは資源物
市によると、学校や学習塾から配布されたプリントは新聞や雑誌、広告ちらしなどと同様に資源物となる。記載された個人名が気になる場合は消すなどし、ひもで十字に縛り、町内の集積所や資源物常時回収ステーションに出す。回収後は古紙としてリサイクルされ、再び紙として利用される。