上越市ガス水道局発注の本支管工事をめぐる談合疑惑の住民訴訟で新潟地裁(西森政一裁判長)は2017年3月6日、市が談合した業者に対し損害賠償請求するよう求めていた原告側の請求を棄却した。
原告は市民有志12人。2006年から2011年度に、同局発注の工事で12の業者が談合を行い、少なくとも予定価格の約3%の損害を上越市に与えたとして、12の業者に対して約1億3000万円を賠償請求するよう市に求めた。市側は、原告が主張する談合が具体性に欠け不明確だなどとして請求棄却を求めていた。
原告側は談合の調整の場面とされる録音データや談合の日時をメモした表などを証拠として提出していたが、判決ではいずれについても「個別の談合を認定しうるに足りるものではない」と判断。「客観的に見て、市が不法行為の成立を認定するに足る証拠資料を入手しまたは入手し得たとは認められない」として、市が12業者に対して損害賠償請求を違法に怠っているとはいえないと判断し、原告の請求を退けた。
記者会見した原告団の橋爪法一団長は「がっかりした。談合勢力を励ますような判決だ。このまま引き下がるわけにはいかない。勝つまで戦う」と控訴する方針を明らかにした。原告側弁護団長の齋藤裕弁護士は「判決では談合の存在自体は否定されていない。談合という違法な行為があるのに自治体は何もしなくていいという判決で、是認できない」とコメントした。
上越市の市村輝幸ガス水道事業管理者は「当市の主張が認められたものと理解している。今後もより一層、入札の透明性、公平性及び競争性の確保に努めたい」とのコメントを出した。
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