雪室で貯蔵、熟成した野菜や肉、雪下野菜といった食材の味や魅力を知ってもらおうと、新潟県上越市内の飲食店11店舗で2017年2月28日まで、雪室食材を使ったオリジナルメニューを期間限定で提供する「雪室グルメフェア」が開かれている。
上越地域の民間企業や団体で組織し、雪の利活用や雪室食品の研究、商品開発などに取り組む「雪室推進プロジェクト」(松木成徹代表)が今回初めて企画した。雪室貯蔵した野菜などの食材は「甘くなる」などと言われている。昨年11月に開いた試食会には関心を持つ飲食店店主らが多数参加し、安塚区の雪室で熟成された各種食材の味や香りを確認。今回の企画には、市内のカフェやラーメン店、中華料理店、そば店、レストランなどの11店舗が賛同し、各店が独自メニューを考案した。
このうち、藤塚の「お蕎⻨ 慶」(関口義宏社長)は「雪室熟成ポークつけ蕎⻨」(1100円・総菜、天ぷらバイキング付き)を提供。二八そばに雪室熟成した豚ロース肉を炒めたもの、長ネギ、白ごま、のりを盛り付けた。つけそばの麺つゆにはラー油が入る。品川誠店長は「雪室熟成した豚肉は甘みが増し、とてもおいしい。見た目も味もインパクトあるものに仕上げた。ラー油入りのパンチが効いた麺つゆにつけて味わって」と話す。
西本町3のイタリア料理店「オステリア サカヅメ」(坂詰幸雄オーナーシェフ)は雪室熟成したジャガイモ「インカのめざめ」を使った「雪室じゃがいものテリーヌ」(864円)を考案。テリーヌはジャガイモのみを使ったシンプルなものだが、ゆでたりスライスして炒めたり、すりつぶしたりと様々な調理法で作り上げた。坂詰オーナーによると雪室熟成した「インカのめざめ」は、サツマイモのような甘みが特徴だという。「甘みが強いので、1人一つというより、2、3人でシェアして食べていただくのがおすすめですね。独特のまったりとした甘さを楽しんでほしい。機会があれば他の雪室食材も使ってみたい」と話している。
雪室推進プロジェクトの松木代表は「雪室文化をこれからも発信したいし、今後も参加店を募るなどし、多くの方たちが気軽に雪室食材に触れる機会を増やしていけたら」と話している。
参加11店のメニューや営業時間などは公式サイト(http://yukimuro.jp/gourmetfair/)。