新潟県上越地域は2018年8月28日、大雨に見舞われ、上越市は河川の増水など土砂災害の危険が高まったとして、直江津区、春日区、浦川原区、吉川区など10区の2万4328世帯6万1991人に避難勧告を出した。市内では各地で道路が冠水したほか、床下浸水などの被害が出た。
停滞した前線の影響で未明から雨に見舞われた。気象庁によると同日午後2時40分までの12時間に吉川区川谷で116.5mm、安塚区安塚で90.5mmの激しい雨が降った。
同市は午前9時30分、村山秀幸市長を本部長とする災害対策本部を設置し、直江津区、春日区、浦川原区、吉川区、頸城区、大島区の全域に避難勧告を出した。また保倉川と正善寺川の水位が上がり、はん濫の恐れがあるとして午前10時15分、三和区末野新田、保倉区、北諏訪区の全域に避難勧告を発表した。さらに吉川区の吉川川の水位が上昇したことから午後0時10分までに、新たに吉川区代石、東鳥越、小苗代、片田、原之町の一部、川崎の一部、柿崎区桜町新田、上直海の一部に避難勧告を出した。
市内各地で道路が冠水したほか、市によると、木田1や国府2、浦川原区、三和区の住宅など合計6件の床下浸水被害があった。また、吉川区大賀などで市道が土砂で埋まるなど10か所以上の道路が通行止めとなった。
避難勧告と同時に各地に指定避難所が開設され、一時最大500人以上が避難した。
古城小学校には市立古城保育園児63人が避難した。同保育園は園舎の裏に保倉川が流れており、避難勧告を受けてすぐに避難した。3歳以上の園児はビニール袋で作った簡易雨具をかぶって職員とともに徒歩で、3歳以下の園児は職員の車で避難した。園児たちは、体育館で遊びながら、保護者の迎えを待った。宮越美恵子園長は「朝から雨が強くすぐ避難できるように準備していた。月1回避難訓練しているのが役に立った」と話した。
避難勧告は午後4時50分に全域で解除された。