高田本町の老舗「多田金」が7月3日に営業を停止 負債8000万円

ライブハウスやカフェとして営業していた新潟県上越市本町6の「多田金(G&MCP)」は2017年7月3日、新潟地裁高田支部に破産申請を行い、営業を停止した。東京商工リサーチ高田支店によると、負債総額は約8000万円が見込まれる。創業以来、160年以上の歴史を持つ老舗が高田本町から姿を消した。

閉店した「多田金(G&MCP)」
多田金閉店

多田金は1855年(安政2年)に、初代の多田金十郎が本町6で西洋小間物、煙草、売薬などの店として創業。米コロムビアが設立された1910年に、国内で最初にレコードを取り扱った小売店の一つ。戦後にレコード専門店になり、1949年3月に「合資会社 多田金」として法人化した。その後、1994年に「株式会社タダエンターテインメント」(多田新社長)を設立し、事業を移管した。

上越ウィングマーケットがオープンした1994年4月にパティオ店を出店。「レコードの多田金」として親しまれ、一時は本店、直江津店、上田店、柏崎店を合わせて5店を展開し、ピークの96年には年売上が4億5000万円に上った。しかし、2000年ごろからインターネット配信の影響を受け、2006年9月には本店を閉めた。唯一残っていたパティオ店も2012年11月で閉め、レコード、CDの専門店としての営業を終了した。

2012年からはライブハウス、飲食をメインに営業していた多田金
多田金

2012年12月からは、CDなどの在庫を持たない受注販売に切り替え、旧本店でライブハウス、プレイガイド、カフェを中心とした営業を続けていた。

7月3日には店舗に「本日付にて当店を閉店させていただきます。長い間のご愛顧に感謝を申し上げます」との張り紙を掲示した。

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多田金(新潟県上越市本町6)