新潟県上越市南本町3に2018年4月、花や木に囲まれた環境で供養でき将来の墓守の必要がない樹木葬墓地「はなみずき」が開園した。
設置したのは同市南本町3の明厳寺。樹木葬は「自然に返りたい」「墓の跡継ぎがいない」などの理由で、永代供養の納骨堂などとともに新しいタイプの弔い方として首都圏などを中心に人気を集めている。
開園した樹木葬墓地は面積約9平方m、1人用4区画、2人用32区画の計36区画。中央にはシンボルとして「永続性」の花言葉を持つハナミズキの木を植えた。各区画では遺骨を埋葬した個別の地下の納骨室(カロート)の上に縦30cm、横40cm、高さ30〜20cmの石の墓標プレートを置く。プレートには自由に文字や絵を彫ることができる。同寺は浄土真宗本願寺派の寺院だが、宗教や宗旨、宗派を問わず利用でき、檀家になる必要はない。
納骨(2人用は2人目)から13年間は個別の区画に埋葬し、その後同寺の合葬墓に移し永代供養する。合葬墓では毎年6月に永代経法要、8月のお盆には墓前読経が行われる。価格は、納骨料や墓標プレート加工料、管理費用、合葬墓使用料すべて込みで、1人用が80万円、2人用が90万円。樹木葬墓地を使用せず、合葬墓に直接納骨する場合は30万円(すべて税別)。追加費用はない。現在の墓地を「墓じまい」し、納骨することも可能。
販売代理店で「ベル・メモリア大和会堂」などの葬儀場を運営する上越フィネラル(大和3)によると、一般的な墓石を建てる費用は150〜250万円が相場。「はなみずき」は同社の会員制度のメンバーなどが契約しており、次男や三男など本家から分家し墓地のない人や子供が首都圏などの遠方に住み地元に墓守がいない人などが多いという。
同社の上原伸一営業部長は「『(死後)子供に迷惑をかけたくない』という声を聞く機会が多い」と、樹木葬墓地販売に至った経緯を話す。
父親の住職とともに寺務を行う長尾章さん(39)は「新たに墓地を持つのは費用がかかることから抵抗があり、悩んでいる人は多い。お墓の面倒をみてもらえるということで安心していただけるのでは」と話していた。
問い合わせは、上越フィネラルのはなみずき専用フリーダイヤル0800-800-1798。