上越市立水族博物館の「ワンダーランド」で最後に遊んできた

皆さんは上越市立水族博物館の2階にある「子供科学館ワンダーランド」をご存知だろうか。遊具や科学展示が並ぶコーナーで、上越出身の人なら、小さい頃に遊んだり、 あるいは子どもを連れて行ったりしたことが一度はあるのではないだろうか。

水族館2階「子供科学館ワンダーランド」入り口
ワンダーランド入り口

上越市立水族博物館は、新水族館のオープンに向けて、現施設での営業を2017年5月14日で終了する。現在の建物は解体されて、跡地は新水族館の駐車場などになる予定だ。現施設の営業終了とともにワンダーランドともお別れとなる。

水族館本体と共に約37年の時を刻んだ施設であり、思い出のある人も多いだろう。せっかくなので閉館直前のワンダーランドへ記者が遊びに行ってきた。

懐かしい水鉄砲がお出迎え

中に入るとすぐに懐かしい遊具が見える。カエル、カバ、クジラの3匹とそれを撃つための水鉄砲が並ぶ。

水鉄砲の遊具。変な電子音が鳴るので、遊ぶのは少し恥ずかしい。
水鉄砲

壁の説明書きによると、『動物たちをよく狙って発射してみよう。どんなあいさつをしてくれるのかな?』。そうそう確かカエルは目玉を狙えばいいはずだ……

【動画】3匹とも狙って動かしてみた

ノスタルジックな展示の数々

展示品の多くは水族館の開館当初から設置されているもので、記者が子供の頃に遊んだときとほぼ同じ状態のままだ。いくつかの遊具を動画で紹介しよう。

【動画】懐かしの遊具で遊んでみた

小じんまりとした施設だが、他にもいくつかの展示品があるので写真で紹介する。記憶に残っている読者も多いだろう。

入り口にいるペンギン。手を入れるとテルミンのように音を鳴らせる
ペンギン

昔は珍しかったプラズマボール
プラズマボール

大量の釘を下から押し上げる展示
大量の釘

色がつく影
色の付いた影

ハンドルを回して電気を起こす
パワーメーター

中身が虚像として浮いて見える展示、のはずだが傷んでいてよく見えない
浮き上がって見える

ブレーメンの音楽隊
ブレーメンの音楽隊

真っ暗な部屋。ブラックライトでTシャツが光る
ブラックライトの部屋

オープン当初は目新しかったのだろう展示の数々も、今ではレトロな雰囲気を醸し出している。

37年の歴史をもつ現水族館とほぼ同時に開設されており、展示品の老朽化は隠しきれない。スタッフによると、「直しては壊れて、直しては壊れての繰り返し」だったそうで、修理には相当なコストがかかっていたという。それでも途中で放棄されることなく、現水族館の営業終了まで維持されてきた。

じょうえつ号にも乗ってみた

ワンダーランドの一番奥には潜水艦型の乗り物がある。時代を感じる文字で「シーベンチャーじょうえつ号」と書かれている。

「シーベンチャーじょうえつ号」
じょうえつ号

地元市民でも乗ったことがある人は少ないかもしれない。せっかく最後に訪れたので内部を撮影してきた。その様子は次の動画を見てほしい。

【動画】「じょうえつ号」に搭乗してみた

実は佐川急便による寄贈

この「ワンダーランド」の施設は佐川急便から寄贈されたもので、入り口付近にそのことを示すプレートが貼られている。

佐川急便からの寄贈を示すプレート
寄贈

佐川急便の創業者である佐川清氏は、新潟県板倉町(現在の上越市板倉区)の出身だ。佐川急便はこの施設のほかに、リージョンプラザ上越のレジャープールや謙信公像(現在は春日山に移動)、金谷山のスーパーボブスレーなども寄贈している。

水族館はまもなく長期休館へ

上越市立水族博物館は、現施設での営業をいよいよ5月14日で終了する。同館は、37年間親しまれてきた現施設の「お別れ」に向けて、水槽の中に入れるコーナーや寄せ書きができる横断幕を設置している。現施設での最終営業日となる14日の午後2時には休館式典を行い、先月から募集してきた寄せ書きを披露する予定だ。

新水族博物館は、来年2018年6月頃のオープンを目指して工事が着々と進んでいる。

姿を現しつつある新水族博物館(2017年5月12日)
姿を現しつつある新水族館

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