イルカ連続死対策でプールに日よけを設置 上越市立水族博物館「うみがたり」

開館から2年でイルカ4頭が相次ぎ死んだ上越市立水族博物館「うみがたり」で、屋上に位置するイルカプールの上部に日よけを設置する工事が進められている。イルカ死亡の要因として、専門家による検証委員会がプールに直射日光が当たることなどを挙げたため、対策を講じた。

イルカプールの上部に設置された開閉式の日よけ。7月15日に工事が完了する予定(2021年7月8日) 20210708-DSC_6915

2018年にオープンした同館では、19年にバンドウイルカ2頭、20年にシロイルカ2頭が死んだ。現在飼育するイルカはバンドウイルカ2頭のみとなっている。

連続死の原因究明のため同市教育委員会が設置した検証委員会は、今年2月に検証結果を公表。元々太平洋側の横浜市で飼育されていたイルカが、上部に屋根や壁のない同館の飼育プールで夏の暑さや直射日光、冬の寒さや強風をまともに受け、気候の違いに対応できずに死んだ可能性を指摘。日よけや防風壁の設置を提言した。

これを受け、5月から日よけの設置工事を開始。イルカプール上部の大ひさしの開口部に、幅約5mを覆う長さ約13mのポリエステル製シェードを設置した。これにより開口部の約半分がシェードとステージで覆われ、直射日光を防ぐ。取り付けの都合でシェードは2列に分かれ、手動で開閉する。

設置工事は今月15日に完了し、16日から日射しが強いときなどに使用する予定。かつてシロイルカが展示されていたふれんどプールの上部にも同様の日よけを9〜10月に設置する。両プールの日除け設置工事費は計約2640万円。また、冬前にはイルカプールの北側に防風壁を設置するという。

市教委の新部彰教育総務課長は「(検証委からは)建築上の対策のほか飼育面での提言もあるので、そこも対策しながらイルカの飼育上の安全を向上させたい」と話した。

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