ワクチン供給不足で上越市の接種1か月遅れに 大規模センターは個人も対象に

国からの米ファイザー製新型コロナウイルスワクチンの供給が不足しているとして新潟県上越市は2021年7月8日、今月下旬に予定していた23〜64歳の集団接種開始を約1か月遅らせると発表した。一方、米モデルナ製ワクチンを使用している大規模接種センター(ユートピアくびき希望館)について、これまでの職域接種に加え18歳以上の個人に対象を広げ、不足分を補う。

接種完了9月末→10月末に

同日、村山秀幸市長が記者会見して明らかにした。市の集団接種と個別接種ではファイザー製ワクチンが使われており、供給不足により9月末としていた集団接種の完了は、10月末までかかる見通しとなった。

記者会見した村山市長
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国からの供給 必要量の5分の1に

市によると、ファイザー製ワクチンは6月分までは国から予定通りの量が送られてきたが、7月分は市が希望した量の5分の1程度となった。

23〜64歳の集団接種開始1か月遅れ

このため、当初7月24日に予定していた23〜64歳の集団接種開始を8月21日に先送りする。さらに、医療機関での個別接種についても、8月10日までの新規予約受け付けを停止した。

医療機関での個別接種については、すでに予約済みの分は予定通り接種でき、8月11日以降の予約は可能。また、夏休み中に2回の接種を終える計画の16〜22歳を対象とした集団接種は、予定通りに実施する。65歳以上の集団接種と介護施設での接種も予定通り。

大規模接種センターは個人も対象に

一方、これまで職場などを単位としていた県設置の大規模接種センター(ユートピアくびき希望館)について、18歳以上の市民らが個人単位で接種できるようにした。上越市の接種予約システムから申し込みできる。同センターではモデルナ製が使用されていることから、市では早期接種を望む市民に同センターでの接種を勧めることで、ファイザー製ワクチンの不足を補う。

7月3日から稼働しているユートピアくびき希望館に設置された大規模接種センター(写真提供・新潟県)
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村山市長は「体制を整えてきたのにワクチンが不足するというのは残念だが、県と市が連携して対応しており、希望する方全員が接種を受けられるので安心してほしい」と話した。