雪原に赤い帯 大寒に「かんずり」用唐辛子の雪さらし

二十四節気の一つで、1年で最も寒い時期とされる「大寒」を迎えた2021年1月20日、新潟県妙高市特産の辛味調味料「かんずり」の主原料、唐辛子の雪さらし作業が同市西条で始まった。青空が広がる好天の下、真っ白な雪原に唐辛子の真っ赤な帯が広がった。

妙高山をバックに真っ赤な唐辛子をまく従業員
かんずり雪さらし1

かんずりは鍋物などの辛味調味料として重宝される。雪さらしは塩漬けした唐辛子を雪の中に数日間置いてあくを抜く作業で、毎年大寒の日に始まる。妙高の冬を彩る風物詩として知られ、毎年多くのカメラマンが撮影に訪れる。今年は新型コロナウイルス感染予防のため、マスコミと一般参加者の時間を分けて行われた。

かんずりの原料、唐辛子の雪さらし(動画・28秒)

この日は、製造元の「有限会社かんずり」の従業員4人が、雪の上に敷いたネットの上に約600kgの塩漬けした唐辛子を次々とまいていった。

唐辛子は50年以上前から栽培されてきた地元の伝統品種で、昨年の8月中旬から10月末に収穫されたもの。唐辛子をさらすことで、苦味やあく、雑味が抜け、すっきりした辛さになるという。さらに唐辛子を粉砕してこうじやユズ、塩を加えて3年間熟成、発酵させると、独特のまろやかな辛さになる。

同社の東條昭人社長は「昨年は雪がなく、アライリゾートで雪さらしをしたが、今年は雪の心配がまったくない。コロナ禍の年にできた唐辛子が製品になる頃には、終息して平穏な世の中に戻ってほしい」と話した。

今年は2月末まで作業を行い、計3tの唐辛子を雪にさらす予定。

◇「かんずり」公式サイト https://kanzuri.com/