雪降りしきる中「かんずり」用トウガラシの雪さらし始まる

二十四節気の最終節で、1年のうち最も寒い時期とされる大寒の2022年1月20日、新潟県妙高市の特産「かんずり」の主原料となるトウガラシの雪さらし作業が同市西条で始まった。雪が降りしきる中、あたり一面白く覆われた雪原に、真っ赤なトウガラシが次々とまかれた。

雪が降りしきる中始まった今年の雪さらし作業
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かんずりは上越地方伝統の香辛調味料で、商標登録を持つ同市西条の「かんずり」(東條昭人社長)が製造販売する。鍋物などの料理の引き立て役として重宝されており、味の決め手となる雪さらし作業は妙高の冬の風物詩としても有名だ。

東條社長によると、雪さらしにはトウガラシのあくや塩漬けによる余分な塩分を抜く効果があり、甘みが出てまろやかな辛味に仕上がるという。毎年大寒の20日から始まり、雪質や天候を見ながら3、4日雪にさらす。

あく抜きのため雪にさらされるトウガラシ
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トウガラシは妙高産で、例年は20tほど使用するが、2年前から生産調整をしており、今年は約2.5tを栽培。8月から10月にかけて収穫し、塩漬けして保存していた。

この日は約700kgのトウガラシを用意。従業員4人がザルを片手に、慣れた手付きで作業を進め、雪の上にまかれたトウガラシは、またたく間に降り積もる雪に覆われていった。

従業員がザルを片手に手際良くまいていった
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作業は2月末まで続く予定で、雪さらしを終えたトウガラシは、こうじやユズ、塩を加えて3年間熟成、発酵される。

東條社長は「大寒らしい大雪の中での作業となったが、かんずりの味に欠かせない工程を例年通り始められて一安心。地域の食文化をこれからも残し続けて、全国的にも広めていきたい」と話した。