手打ちきしめんがもう食べられない  上越市春日野2の「やぶ食堂」

本格的な手打ちきしめんの店として人気があった新潟県上越市春日野2の「やぶ食堂」が2017年1月、店主の梅澤勉さん(80)の死去により53年にわたる歴史の幕を閉じた。長女の和美さんは「長年、手打ちきしめんでやってきたので、他のものに代替できない。店を継承できずに残念」と話している。

春日野2の「やぶ食堂」
2017-01-16 やぶ食堂S

梅澤店主は、きしめんの本場、名古屋で16~26歳まで10年間の厳しい修行を経て、生まれ故郷に戻り、1963年(昭和38年)に上越市西本町で店を持った。西本町では4年間、その後五智に移って24年間営業し、春日野2に移転した。

上越の人はきしめんになじみがなく、当初は苦労の連続だったという。こくを出すため、本場のきしめんには入らない天かす(揚げ玉)を入れるなど、上越の人の舌に合わせて工夫し、「克己忍耐」を是に営業を続けてきた。

名古屋名物の八丁味噌を使った「味噌煮込みきしめん」が人気だった。

店舗は、梅澤店主が昨年11月上旬に入院したため、休業が続いていた。

やぶ食堂