上越海保に最新鋭の巡視艇「たつぎり」就役 謙信の異名「越後の龍」から命名

新潟県上越、糸魚川、柏崎の3市などの沿岸を管轄する、上越海上保安署(吉田勝昭署長)に、新たな巡視艇「たつぎり」が就役した。2019年2月に29年間の役目を終え解役した「なつぎり」に代わる同署の巡視艇。最新設備を備え、海の安全を守る。

上越海保の新巡視艇「たつぎり」
写真②20190212上越海保たつぎり就役

「たつぎり」の名は、地域の守護神として活躍してほしいとの願いから、上越ゆかりの戦国武将・上杉謙信の異名「越後の龍」から付けられたという。

全長は「なつぎり」とほぼ同じ27m、総トン数は64トン。「なつぎり」に比べ、エンジン出力や操縦性能が格段に向上。27ノット(時速約50km)以上で航行できるという。最新設備を備え、夜間の監視はこれまで署員の肉眼で行っていたが、「たつぎり」には赤外線による監視装置が装備されている。また停船命令等表示装置を完備し、日本語のほか、中国、韓国、ロシア語など5か国語に対応している。主に海の事故の防止活動や人命救助、密漁者の取り締まりなどの業務に従事する。

長崎造船(本社・長崎市)での約10か月間の建造工事を経て完成し、2月20日に同社から引き渡しを受けた。寄港地で所要の訓練を行った後、3月2日に直江津港に入港した。

3月12日には、上越市港町1の直江津港佐渡汽船ターミナルビルで就役披露式が開かれた。署員のほか、港湾関係や警察、消防など各公的機関、地元企業などから約160人が出席し、就役を祝った。就役披露式で吉田署長(53)は「各装備が最新の物となり、今後の業務遂行に当たり、大きな威力を発揮してくれるものと確信している。地域の安心、安全を守れるよう、職員一同、精励していきたい」と式辞を述べた。

おもてなし武将隊と勝どきをあげる、吉田署長(写真中央)と伊藤船長
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閉式の辞の後には、突如、上杉謙信の居城、春日山城跡や上越市内の観光施設などで演武を披露するなどしている「越後上越上杉おもてなし武将隊」が登場。吉田署長や伊藤豪紀船長(32)と並び、「たつぎり」の活躍を期して出席者と共に「エイ、エイ、オー」と勝どきを上げた。