少雪で農業用水ピンチ 中江・上江用水で1994年渇水以来22年ぶり「番水」

昨冬の少雪で笹ヶ峰ダムの貯水量が減少し、農業用水に影響が出るとして新潟県上越市の関川地区土地改良区連合(永井紘一理事長)は2016年6月10日、ダムからの取水を抑制し、中江用水と上江用水に一日おきに水を配分する「番水」を実施することを決めた。番水の実施は1994年の渇水以来22年ぶりとなる。

例年この時期には満水となる笹ヶ峰ダムの貯水率は、今年は6月10日現在で64.2%。このまま水を使うと7月12日には笹ヶ峰ダムの水が底をつく計算だという。このため土地改良区では同日緊急に理事会を開き、番水など渇水対策を決めた。

6月10日時点で満水の約6割の貯水量の笹ヶ峰ダム(関川地区土地改良区連合提供)
6月10日 笹ヶ峰ダム

これまでは笹ヶ峰ダムから毎秒4トンを取水していたが、10日以降は毎秒3〜1トンに順次減らしていくと同時に、野尻湖からの水も使う。13日から8月下旬まで、上江用水を使う2647ヘクタールの水田、中江用水2821ヘクタールの水田に1日おきに水を流す番水を実施し、稲作で重要な出穂期を乗り切る計画だ。

永井理事長は「平成6年の大干ばつと同等の緊急事態で、品質確保のため一定の時期まで用水を確保する必要があるので、協力してほしい」と話した。