新潟県上越市の高田公園で開かれている高田城百万人観桜会で2015年4月18日、陸上自衛隊高田駐屯地による市中パレードが行われた。約6000人の市民らが見守る中、隊員約170人と車両28両が整然と行進した。
パレードは西堀交差点から極楽橋前の交差点までの約500mで実施。1908年(明治41年)に旧軍の第十三師団が入城後、在郷軍人団が植樹した桜が現在の観桜会に受け継がれている経緯を踏まえ、同師団が入城した経路をパレードした。実施は41年ぶりとなった一昨年から3年連続。
高田・新発田駐屯地合同の音楽隊を先頭に、十河浩副連隊長の指揮の下で行われた。小銃を携行した第2普通科連隊の隊員82人をはじめ、指揮通信車、軽装甲機動車などの防衛部隊、炊事車や水トレーラーなどの災害派遣部隊などが整然と進んだ。高岡久駐屯地司令や、村山秀幸上越市長らが観閲台から見守った。
桜の花びらが舞うなか、沿道にはパレードを見ようと多くの市民らが詰めかけた。同市新光町の男性(69)は「桜は散ってしまったが、整然としたパレードが見られて良かった」。同市大潟区の女性(20)は「軍隊みたいでかっこいい」と話す。
市民団体からパレードの中止を求める要請書が市に提出されていることについて、同市柿崎区の男性(28)は「軍人が桜を植えた長い歴史があり、パレードに威圧感を感じることはない」と話す。長野県長野市の男性(45)は「逆に、これだけの装備を税金でまかなっていることを、もっと国民へ積極的に見せることも大事ではないか」と話していた。