新潟県上越市は2015年2月23日、2015年度当初予算案を発表した。一般会計は1029億6601万円で、本年度より35億2587万円減(3.3%減)となった。新年度は第6次総合計画の初年度で、「暮らし」、「産業」、「交流」の三つを重点戦略として、来月の北陸新幹線開業後の誘客拡大策や、地域コミュニティーの活性化、新産業創出などに力を入れる。
一般会計から制度融資預託金や市債借替に伴う償還元金を除いた実質予算額は942億8192万円で、本年度当初比3.0%減。新水族博物館整備費や小学校の改築・改修費が増えた一方、北陸新幹線上越妙高駅を中心とする整備事業が終わり、普通建設事業費などが大幅に縮小することが減少の要因。
また、国の本年度の補正予算を含めた15か月予算では949億9780万円となる。国の経済対策が従来の公共事業中心から、地方創生のためのソフト事業に転換したため、前年度比7.2%減となった。村山市長は「新規・拡充事業を中心に地方創生交付金を最大限活用して、補正予算に前倒しした」と説明した。
三つの重点戦略別に見ると、暮らしでは、13区でまちづくりに取り組む住民組織を支援する住民組織活動基盤整備事業、大学や企業がボランティアで高齢化した集落を支える中山間地地域支え隊事業などに新たに取り組む。産業の新規事業はインターネットショップ開設などを支援するeコマース事業、上越沖メタンハイドレート商業化促進事業などに予算を計上したほか、メイドイン上越推進事業も拡充する。交流では、観光スポットを訪れた人のスマートフォンなどに近くの飲食店の情報などを提供する観光インフォメーション利用環境整備事業や公共施設の公衆無線LAN整備のほか、新水族博物館整備と同施設を核とした地域活性化の調査・研究の予算も計上している。
また北陸新幹線開業後の集客については、外国人観光客のニーズ調査や東京五輪での各国のキャンプ地誘致に向けた体制整備なども行う。
村山市長は「新年度は、北陸新幹線開業と地方創生の潮流をあますところなくとらえ、次の世代へとつなげていく新たな取り組みの始まりの年。全ての市民が豊かさと生きがいを実感する暮らしの実現に向けさらなる一歩を踏み出したい」と語った。
新年度予算案は3月3日に開会する市議会3月定例会に提案される。
↓新年度予算の説明資料は上越市ホームページで見ることができる。
http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/zaisei/zaisei-27-yosan-index.html