上越市内最後の駄菓子店「清水商店」 7月末で40年の歴史に幕

新潟県上越市大町3の駄菓子店「清水商店」が2014年7月末で駄菓子販売をやめる。小銭を握った子供たちでにぎわった昔ながらの駄菓子店が、上越市内から一軒もなくなる。

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同店は清水賢治さん(78)、美和子さん(71)夫妻が1975年(昭和50年)ごろ、大町通りの大町小学校近くに開店。当時、店内は子供たちであふれたという。子供が店内でコマを回して店頭のガラスを割ってしまったこと、悩みを打ち明けてくれる子たちがたくさんいたことなど、「振り返るといろいろな出会いがありましたね」と美和子さん。当時の子供たちが大人になり、清水さん夫婦の顔を見に来店する人も多い。「『俺のこと分かる?』って。面影が残っていて、分かるんですよね」。

駄菓子販売をやめる理由は4月からの消費税増税だという。駄菓子を扱う市内のなじみの問屋が増税をきっかけに廃業。美和子さんは「東京や名古屋から商品を取っても、商品や手数料など全てに8%かかるようになった。駄菓子は賞味期限もあり、やっていくのはとても厳しい」と寂しげに話す。

現在店頭に並ぶ商品で販売を終了し、もう仕入れはしない。ただ、店内の一角で販売している盆栽の鉢販売は今後も続けていくという。美和子さんは「7年前、胃の全摘をした時も励ましの言葉をたくさんかけてもらった。いろんな思いがあるけれど、たくさんの子供たちと出会った『財産』がありますから」と笑顔で語っていた。

上越市内の駄菓子屋は昭和40年代をピークに衰退が始まったが、約30年前には寺町2や東本町2などに少なくても7軒が営業していた。直江津市街地で最後に残っていた飯塚菓子店は2001年12月に閉店。2002年6月時点で高田では稲田3の長谷川商店と、清水商店の2軒のみが営業していた。長谷川商店も10年ほど前に閉店し、清水商店だけとなっていた。

懐かしの駄菓子屋さん

長谷川商店(上越市稲田3)

稲田の雁木通りにあった長谷川商店(2002年6月)
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長谷川商店は昭和25年ごろから営業。長岡市関原町の県立歴史博物館内に実物大で再現している一文店(駄菓子屋)のモデルになった。

県立歴史博物館の一文店 → http://nbz.or.jp/?page_id=60

金井商店(上越市寺町2)

くじが人気だった「金井商店」(1984年11月)
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金井商店は昭和30年に創業。茶の間が売り場になっていて、レトロな雰囲気の駄菓子専門店だった。1回10円のくじが人気だった。

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