ソチ五輪銅メダルの清水礼留飛選手 花吹雪の中 妙高市で凱旋パレード

ソチ五輪で銅メダルを獲得した新潟県妙高市出身の清水礼留飛選手(20)の凱旋パレードが2014年4月19日午前、同市上町の市文化ホール周辺で行われた。市民ら3200人が旗を振って出迎え、同市初のメダリスト誕生を喜んだ。清水選手が所属している雪印メグミルクスキー部の原田雅彦監督も参加し、終始笑顔で沿道の声援に応えた。

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パレード会場は市文化ホールを取り囲む約1km区間。数日前まで満開だった桜は、花吹雪になって主役の2人を出迎えた。オープンタイプの四輪駆動車に乗った清水選手は、縦縞の紺色スーツに紺のネクタイ姿。首から下げた銅メダルを掲げながら、詰めかけた沿道の市民らの「おめでとう」「頑張った」の声に応えた。五輪後はワールドカップで世界を転戦しており、前日は約半年ぶりに故郷の土を踏んだばかり。友人や知人らも大勢駆けつけ、祝福の言葉を贈っていた。

パレードの途中、清水選手がメダルを首から取り、声援を送っていた女性に手渡す一幕もあった。母校の県立新井高校前には大きな横断幕が掲げられ、女子生徒が「礼留飛さーん」と大きな声援を送っていた。

清水礼留飛選手と原田雅彦監督の凱旋パレード(動画)

清水選手 市民と両親に涙のメダル報告

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パレードに続いて市文化ホールで行われた妙高市スポーツ特別栄誉賞の表彰式とメダル報告会には、約800人が詰めかけた。清水選手は原田監督とともにスポットライトを浴びて客席後部から登場。メダルを胸に、握手をしながら登壇した。

スポーツ特別栄誉賞は、妙高市初の五輪メダリスト誕生を祝して贈られた。入村明市長は「メダルにより、挑戦することへの希望、夢、感動を与えていただいた。(清水選手は)まだ20歳。4年後も、皆さんの期待に必ず応えてくれる」と述べ、老朽化している赤倉のジャンプ台など、選手の練習環境改善について検討することを約束した。

実行委員会の山崎健吾会長(市体育協会会長)は、「これまで冬季五輪に65選手が出場したが、あと一歩でメダルが取れなかった。今回は新潟県から10人がソチに向かい、念願のメダルを持ち帰ってくれた。4年後もこのような会ができるようにしたい」と祝福した。県スキー連盟の尾身孝昭会長も「一度に3個のメダル獲得で、3人が県民栄誉賞。県の夢プロジェクトで応援いただいたたまもの」と喜んだ。

あいさつに立った清水選手は「メダルが取れたのはみなさまのおかげ」と頭を下げ、「今まで両親をはじめ…」と言いかけたところで目頭を押さえた。目を真っ赤にしながら、「凱旋パレードで大勢の人を見て、本当にうれしいなと心の底から思った。これまでスキーを教えてくれた両親に感謝したい」と話した。

原田監督は、「新潟県ではふなっしーより有名」と笑わせ、「(清水選手は)一番手という大役を見事に果たし、銅メダルへと導いた。素晴らしい活躍だった」と称えた。

妙高市スポーツ特別栄誉賞受賞式やインタビュー、清水選手のあいさつなど(動画)