賛否両論の中、上越市で自衛隊が観桜会パレード

第89回高田城百万人観桜会が開催されている新潟県上越市の高田公園で2014年4月19日、陸上自衛隊高田駐屯地(同市南城町3)が、隊員や装甲車によるパレードを行った。昨年に続いての実施で約160人と車両23両が参加。隊員は弾薬が入っていない銃を携行して行進した。同駐屯地によると、パレードには約6500人が集まった。

弾薬が入っていない銃を携行して行進する隊員
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パレードは、41年ぶりの実施となった昨年に続いての開催。上越市自衛隊協力会、新潟県自衛隊援護協力会、新潟県隊友会、上越市自衛隊父兄会の4団体が、観桜会の主催者である上越市、上越観光コンベンション協会、上越商工会議所に要望して実現した。

パレードは西堀交差点から極楽橋前の交差点までの県道約400mで行われた。高田駐屯地と新発田駐屯地の合同音楽隊が演奏する中、ヘルメットを被り実弾の入っていない小銃を携行した高田駐屯地の隊員が行進。続いて指揮通信車や、銃器を取り付けていない軽装甲機動車、炊事車などの車両が進んだ。

沿道にはパレードを見ようと多くの人が集まった。同市板倉区の女性(64)は「整然としたパレードで銃は特に気にならなかった。来年も実施してほしい」と話した。また加茂市の女性(69)は「パレードに賛成、反対、それぞれの意見がある中で、パレードに参加する自衛隊員も複雑な思いではないか」と語った。

同駐屯地の高岡久司令は「今年は観桜会や高田開府400年祭、2015年は北陸新幹線開業と地域発展の機運が盛り上がっている。高田自衛隊も地域の発展を願い、観桜会の行事の一つとして昨年に続きパレードを行った。関係各位に感謝申し上げる」とコメントした。

今回の自衛隊パレードを巡って、労働組合など14団体が4月16日、上越市に中止を求める要請書を提出した。14団体はパレード実施後、連名で「今回は小銃携行、装甲車付きで威圧感たっぷりのパレードとなった。市民に威圧感を与えないようにという配慮を求めるならば、観桜会でこのような武装パレードを行うべきではなかった」とする抗議声明を出した。