一般会計は182億3000万円 妙高市が新年度予算案発表 「新しい生活様式」を基本に

新潟県妙高市は2021年2月19日、2021年度当初予算案と主要事業の概要を発表した。一般会計の総額は182億3000万円で、3保育園の統合園舎建設、新図書館の整備事業の増などに伴い、前年度比3.4%増となった。コロナ禍で実施が見通せない艸原祭、あらいまつり、コシヒカリマラソンなどの大規模イベントは、準備はするものの予算計上をせず、実施する場合は補正予算で対応する。

新年度予算案を発表する入村市長(妙高市役所)
入村市長

歳入では、固定資産税や市民税の現年課税分の減などで5.3%減の41億4019万円、地方交付税が2.6%減の59億5133万円、市債が統合園舎の建設などで76.4%増の20億9889万円。歳入予算総額に占める市債依存度は11.5%となり、本年度より4.7ポイント上昇する。

入村明市長は「コロナ禍のため、予算編成は慎重になった。万が一の場合の対応が今回の予算の中心。2年半ほど前から取り組んでいたワーケーションは、コロナで一気に動き出した。届出書の電子化やLINEの活用は『触れない』ことにつながる。今後も『新しい生活様式』は基本になっていく」などとポイントを述べた。

新規事業では、コロナ対策を兼ねインターネットを活用した事業が目立つ。すべての申請や届出書をタブレット端末から入力できるようにし、接触機会を減らすとともに用紙を年間3万8000枚削減し、所要時間を3割削減する。検診などにインターネット予約を導入する。スマートフォン決済アプリで市税などが納付できるようにする。認定こども園、保育園にWi-Fi環境を整備し、保育参観や行事などの情報を配信する。LINEを活用し、市民がほしい情報を受け取れるサービスを導入する。

また、昨年6月の「ゼロカーボン推進宣言」に基づき、地熱などの再生可能エネルギー、新エネルギーの導入に向けた支援などを行い、脱炭素社会の実現に取り組む。

5つの重点化方針に基づく主な新規事業は次の通り。

SDGsの実践による持続可能なまちづくり

  • 妙高はねうまカレッジ「まなびの杜」のオンライン講座開催
  • 本庁舎蛍光灯のLED化、ペーパーレス化に向けた検討(市役所「ゼロ×スマート」推進事業)

市民の健康と安全・安心の確保

  • 市民検診、がん検診のインターネット予約導入
  • オンラインによる相談窓口の開設など(すくすく親子健康づくり事業)
  • 乳幼児健康検査データのデジタル化
  • ランニング、ウオーキング記録会の開催
  • 手話言語条例の制定を契機として、地域共生社会に向けた取り組みを推進
  • 新図書館複合施設の整備に着手
  • 屋根雪除雪の転落防止柵など、安全対策工事の費用補助
  • 新井ふれあい会館トイレのバリアフリー化など

グリーン社会への転換

  • 2050ゼロ・カーボンの実現に向けたアクションプラン策定
  • 地熱などの再生可能エネルギー、新エネルギー導入に向けた支援
  • 妙高クリーンセンターの基幹改良工事
  • 希少野生動植物の保護推進
  • 高谷池ヒュッテの渇水対策のための周辺調査

デジタルシフトの推進

  • すべての申請、届出書の電子化
  • LINE公式アカウントを活用したサービスの提供
  • すべての認定こども園、保育園にWi-Fi環境を整備
  • スマートフォン決済アプリによる市税などの納付サービス導入
  • 市民検診、がん検診のインターネット予約導入
  • 特定健康診査にインターネット予約導入

分散型社会に対応した地域共創

  • 首都圏など外部人材による地域複業人材チームの組織化
  • 市内企業の経営支援、地域課題解決などに向けたビジネスマッチング
  • 民間事業者のサテライトオフィスなどの整備・運営費用の補助
  • サテライトオフィスなどに進出する首都圏などの企業に対する補助
  • 首都圏にある企業社員の登用、施策の立案や事業化
  • マーケティング専門人材の登用による戦略計画の見直し
  • 人材力診断を若手職員に実施
  • オンラインを活用した研修の受講