妙高市の「休暇村 妙高」で90人が食中毒 沢水の消毒不十分が原因か

新潟県福祉保健部の発表によると、新潟県妙高市関山の温泉宿泊施設「休暇村 妙高」を利用した東京都の中学生団体や、一般利用者のうち、2013年7月23日から26日にかけて90人が発熱、下痢、腹痛などの症状を起こしたことが分かった。上越保健所は同施設で使っていた飲用水が原因のカンピロバクターによる食中毒と断定し、8月16日から18日までの3日間を営業停止処分にした。60人が治療を受け、2人が入院したが、患者は全員快方に向かっている。

食中毒

8月6日午前11時頃、東京都から県に、7月21日から24日まで同施設を校外活動で利用した東京都内の中学校団体のうち、複数人が発熱、下痢などの症状があるとの連絡が入った。上越保健所が調査した結果、中学生と教師196人のうち、44人が23日午後9時頃から発熱、下痢、腹痛の症状を訴えた。

さらに24日から同施設を利用した一般利用者6グループ31人と、25日から同施設を利用した一般利用者10グループ15人が翌日に発症していることが分かった。発症者は10都県に及んだ。

上越保健所は、(1)患者に共通する飲食物が同施設で提供された食品に限られること(2)患者の便や同施設が飲用水としていた消毒前の沢水から、同じ血清型のカンピロバクター・ジェジュニが検出されたこと(3)同施設での飲用水が消毒不十分であった可能性が考えられたこと(4)上越地方の医師から8月15日に食中毒の届け出があったことから、同施設で提供された飲料水と、その水を使用して調理・提供された飲食物を原因とする食中毒と断定した。

カンピロバクターは、ニワトリ、牛などの家禽や家畜のほか、ペット、野鳥、野生動物が保菌しており、これらの動物に汚染された河川などにも生息している。同施設では、敷地外から沢水を引き、ろ過した後に塩素消毒して使っていた。

休暇村は一般財団法人・休暇村協会が経営しており、全国に37施設ある。