上信越自動車道の全線4車線化に向けた準備工事に着手

上信越自動車道で唯一、暫定2車線となっている上信越自動車道の信濃町インターチェンジ(長野県)-上越ジャンクション(新潟県)間37.5kmの4車線化事業に向け、工事用道路を設置する準備工事の開始式が2013年8月6日、新潟県上越市向橋の上越高田ICで行われた。事業主体の東日本高速道路(ネクスコ東日本)の関係者ら約20人が出席し、期間中の安全と、円滑な実施を願った。本体工事は来年度から始まり、2018年度の完成を目指す。

上信越自動車道の暫定2車線区間(上越市滝寺付近)
20130806上信越4車線化

同区間37.5kmのうち、ICの合流などで既に4車線になっている部分を除く24.7kmで道路の拡幅や、トンネル5本と20橋の整備を行う。工事費は486億円。昨年10月から調査設計などを行っており、来年度から予定されている本体工事に備える。

今回の準備工事では、上越高田ICの北にある金谷山トンネルと儀明橋の増設のために、工事用進入路約1100mを設置する。7月から着手しており、来年2月まで行われる。また、4車線化の用地にある平安時代の海道遺跡(向橋)で今月から来年3月まで埋蔵文化財発掘調査を行う。

開始式でネクスコ東日本新潟支社道路事業部の幡鎌俊昭部長は「4車線化で対面通行による飛び出し事故がなくなり、渋滞緩和や観光地へのアクセスが格段に向上する。完成目指して工事を進めたい」とあいさつ。村山秀幸上越市長は「暫定2車線で極めて交通量が多い。また、雪による事故もあり、国に早期の事業着手を要望してきただけに良かった。安全に工事が終わることを願う」と話した。

信濃町IC-上越JCT間の4車線化については、2009年4月の国交相の諮問機関、国土開発幹線自動車道建設会議で建設が認められたものの、その後の政権交代で一時凍結となった。だが相次ぐ渋滞などを理由に4車線化が必要と判断され、昨年4月に事業再開が発表された。

同区間は上信越道延長203kmのうち、唯一の暫定2車線。昨年度は1日平均で1万台を超える交通量があった。