集客順調でも来客増の商店は約2割 高田地区中心市街地活性化

新潟県上越市の高田地区中心市街地活性化事業の2つの核と位置づけられている商業施設「イレブンプラザ」(本町4)と「あすとぴあ高田」(本町5)が今春オープンしてから初めてのアンケート調査の結果がこのほど、公表された。2つの施設では当初見込んでいた集客目標をほぼ達成しているものの、本町3・4・5丁目商店街で来客数が増えた店舗は約2割にとどまった。本町通りに増えた客を個々の商店がいかに呼び込むかが今後の課題だ。

毎週末にイベントを行い集客も順調なイレブンプラザ
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アンケートは同商店街や市、上越商議所などが実施。7月22日に開かれた上越市中心市街地活性化協議会で報告された。2施設がオープンして約1か月経過後の5月15日から、高田地区の小売・飲食・サービス業255事業所を対象に実施。31.4%にあたる80事業所から回答があった。

2施設オープン後の来客数や売上の変化を前年同月比で聞いた結果、仲町や大町を含む高田地区全体では、来客数、売上とも「増えた」と答えた店舗は約1割で、「変わらない」が約7割だった。本町3・4・5丁目商店街のみで見ると、来客数、売上とも「増えた」と答えた店舗は2割を超えた。特に平日では約25%の店舗が来客数、売上ともに増えている。

一方、イレブンプラザの来客数は6月時点で、1日平均約1300人と当初の目標を1割近く上回っている。あすとぴあ高田は1日平均約1980人。2階のテナントが未定である影響などから目標の1日2100人を若干下回っているが一定の成果を挙げている。

中小企業基盤整備機構の中心市街地活性化アドバイザー、服部年明さんは「今回のアンケートでも商店街の努力している店は確実に結果を出している。今が一番大事なときで、個店は2施設が集客した人を引っ張り込むための営業努力が課題だ」と話した。本町商店街の若手商店主は「2施設がオープンしてここまでやってもらった。ここからさきはまさに個店の努力。商店街の店それぞれが自分たちで頑張らねばならない」と話していた。

イレブンプラザの総事業費は6億1000万円。このうち3億8000万円が国からの補助金。あすとぴあ高田の事業費は39億8000万円。このうち25億円が国や市からの補助金。

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