上越信用金庫(本店・新潟県上越市、笠原和博理事長)は2013年7月12日、上越市春日新田2の有田支店に勤務していた男性職員(26)が、顧客から預かっていた定期預金など約3118万円を無断で解約するなどして着服していたと発表した。同金庫は男性を7月11日付けで懲戒解雇処分にしている。
同金庫によると男性は2009年に採用された。2012年9月から今年5月までの間、顧客の夫婦2人の定期預金を無断で解約して着服したほか、法人の当座預金の集金先で現金を着服し、その穴埋めとして同法人代表の女性の定期預金を無断解約して着服した。この2件の被害金額合計は約2463万円で、被害者はいずれも80歳以上の高齢者だった。
このほかに、普通預金や定期預金の集金時に通帳や証書とともに預かった現金を着服し、発覚しないようその月のうちに同じ金額を返す一時流用も複数回にわたり行っていた。
着服額と一時流用の総額は約3118万円で、25の個人、法人の48口座が被害にあった。
6月3日、同法人から「当座預金の動きに不自然な点がある」と問い合わせがあり、内部調査して男性に事情聴取したところ、同4日に着服を認め発覚した。男性は着服した金をほぼ競馬に使ったという。
同金庫は男性の父親から全額の弁済を受けていることと、被害を受けた顧客からも理解を得たとして、現段階では男性を告訴しない方針。
7月12日、記者会見した笠原理事長は「信頼と信用を第一とする金融機関で不祥事を発生させ、誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。