ジャージ姿でコンビニに行くと「不審者」?

=2013年4月21日更新=

「本日午後5時15分頃、○○地区のセブンイレブン付近において、紺色スポーツウエアに茶色カバンを持った30歳代の不審者(男性)が現れたとの情報がありました」――。新潟県上越市の「安全安心情報メール」で先日、こんな情報が市民に配信された。このメールにある情報は、スポーツウエアでカバンを手にコンビニに入ったというだけ。これでは大抵の人が不審者になってしまいそうだ。同様のメールは以前にもあり、上越タウンジャーナルではメールに書かれた状況を再現し検証した。

冒頭のメールは2013年4月18日に配信されたもので、「不審者に遭った時は、大声で助けを求めるなどして、周囲の人に知らせましょう。また、不審者の特徴等を控え、速やかに110番通報してください」と続く。本当に通報すべき状況になるのか、30代の男性に紺色のスポーツウエアを着てもらい、かばんを持ってコンビニ前で再現してみた(写真)。

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また2013年3月11日にも同様のメールが配信されている。「本日午後3時30分頃、○○地区の路上において、黒のジャージ上下に緑の野球帽をかぶった20歳代の不審男性が現れました」というメールで、同じ男性により再現すると次のような感じになる(写真)。

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いずれも不審といえば不審なような気もするが、通報するまでには至らないだろう。

同市の安全メールは災害時の避難勧告や不審者情報などを携帯電話などに電子メールで配信するシステムで2005年から運用されている。不審者については情報を広く共有し注意を呼び掛ける主旨だ。「子供に声を掛けた」「写真を撮った」「触った」などの具体的な状況が書かれたものも多いが、今回のようなメールも配信されている。

今回の件について、安全安心情報メールを運用している上越市防災危機管理課に聞いたところ、「具体的な状況を記載すると被害にあった人が特定されたり、被害者の名誉などを傷つける恐れがあるケースについて、このような表現にしている。分かりづらいからもしれないが、注意を喚起するという主旨を理解していただきたい」とのことだった。

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http://anan.city.joetsu.niigata.jp/