ぼくたち「巳(み)」に来てね 水族館特別展示

2013年1月2日、新年の営業を始めた新潟県の上越市立水族博物館は、今年のえと「巳」にちなんで2種類のウミヘビを展示している。

正月飾りとともにエントランスホールに展示しているのは、シマウミヘビとホタテウミヘビ。ウミヘビと呼ばれる生物には、陸にいるヘビと同じ爬虫類のウミヘビ(コブラ科)と、エラで呼吸する魚類のウミヘビ(ウミヘビ科)がいる。今回はいずれも魚類のウミヘビ。

シマウミヘビは、名前の通り体が白と黒の縞模様をした魚。国内では琉球列島周辺のサンゴ礁の砂底域に生息する。尾の先端部が棒状になっていて、これを使って海底の砂の中に潜る。
シマウミヘビ
シマウミヘビ1

ウミヘビ

ホタテウミヘビは、暗灰褐色をしたウナギやアナゴに似た姿のウミヘビ。上あごに2つの突起があるのが特徴。日本海西部や東京湾、瀬戸内海などの沿岸の砂泥底に生息する。夜行性で普段は砂に体を潜めて頭だけを出して周囲の様子をうかがっている。
ホタテウミヘビ
ホタテウミヘビ1

砂に体を潜めて頭だけを出しているホタテウミヘビ
ホタテウミヘビの頭

えとにちなんだ特別展示は1月20日まで。

◇けがをした赤ちゃんウミガメも展示中
 上越市柿崎区上下浜の打ち上げられていたアカウミガメの子ガメも展示されている。昨年12月21日に砂浜で漂着ごみにまぎれているのを散歩していた住民が発見し、同館に連絡した。後ろ足が左右とも魚などに食べられ欠けているが、元気に泳いでいる。
ウミガメ

同館によると、アカウミガメが市内で確認されたのは1992年以来20年ぶり。ふ化してから4、5か月ほどとみられ体長は9cm。当初は衰弱していたが、水温20~25度に設定された同館の水槽に入れると、元気に泳ぎ出し、12月24日からは餌を食べ始めた。

アカウミガメは世界中の熱帯から温帯域に生息。寿命は50年ほどで、近年産卵場所の減少や他の生物と一緒に捕獲されるなどして数が減少し、絶滅危惧種に指定されている。日本では中部地方以南の沿岸で産卵する。