再稼働反対 市民団体の請願不採択、意見書可決

上越市議会は2012年12月17日、市民団体「つなげよう脱原発の輪 上越の会」(植木史将代表)による東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を認めないよう求める請願を賛成少数で不採択とした。一方、その直後に条件付きで再稼働に反対する意見書が議員発議で提案され、賛成多数で可決された。

市民団体の請願は、約1万9000人分の署名が添えられており、柏崎刈羽原発の再稼働を認めないという立場を市議会が表明し、関係機関に意見書を送るよう求めていた。12月17日の本会議に先立ち、12日に開かれた総務常任委員会では植木代表が意見陳述を行い、議員の質問にも答えた。その際、再稼働は恒久的に許さない旨の説明をしていた。17日の本会議でこの市民団体の請願は、32人の議員のうち議長を除いて賛成12人、反対19人で不採択となった=写真=。

市議会

不採択の直後に議員発議で出された意見書は、「上越市議会が再稼働反対の請願を不採択したということは、原発隣接自治体の市議会が再稼働を認めたと受け止められかねない」(内山米六議員の賛成討論)として提案された。恒久的に再稼働を許さないという主旨ではなく、「現段階では」「市民の安全安心が確保されるまで」という条件で再稼働に反対するものだった。この請願は賛成26人、反対5人の賛成多数で可決された。

傍聴した市民団体のメンバーらは、自らの請願が不採択とされた直後に似た内容の意見書が可決された議会の展開に戸惑った様子だった。両方に賛成した永島義雄議員は「私たち上越市議会は議会改革を進め、議会基本条例も作ったのに、市民が出したものをダメと言って同じようなもの議員が出すとはどういうことか。議会は市民の素直な意見や気持を素直に聞くべきでないか」と話していた。

不採択となった市民団体の請願の内容.pdf

採択された議員発議の意見書.pdf

関連記事