「高田の四季」のジャズバージョン初披露

新潟県上越市本町6の「多田金」は、リニューアル・オープンを記念して2012年12月8日、ギターの経麻朗(きょうまろう)さん、バイオリンの牧田由起さんらのカルテットによるジャズライブを開いた。その中で、上越市民のソウル・ソングともいえる「高田の四季」のジャズバージョンが初披露された。

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「高田の四季」を作詞作曲したのは、終戦直後の1946年(昭和21年)、旧制高田中学校(現・県立高田高校)の教師だった町田太郎氏である。本来は地理・歴史の教師だが、徴兵された音楽教師に代わって音楽の授業も担当していた。敗戦で心に傷を負った学生を元気づけようと、授業の中で自らピアノを弾いて披露したという。

上越市の美しい四季を歌い上げたこの曲は、故郷の誉れとする市民の心情を代弁し、一般にも次第に広がっていった。宴席で芸者衆も歌い、踊りもつけられた。1967年(昭和42年)に初めてレコード化され、その後カセットテープ、CD、ビデオにもなった。その版権は多田金が持っており、現在もロングセラーとなっている。

その「高田の四季」をジャズ風にアレンジしたのは、新潟ジャズ界の重鎮、ギターの経麻朗さん。20年以上前、新潟市に初ジャズ専門総合音楽教室をオープン。「阿賀に生きる」などの映画音楽を担当し、B'z松本孝弘さんのギターの師でもある。「半年前に多田社長から依頼された。とてもいい曲だと思った。譜面は当日に渡し、ぶっつけ本番だった」と話していた。

「高田の四季」ジャズバージョン演奏動画