国川の地すべり避難勧告解除 災害本部も廃止

新潟県上越市板倉区国川で2012年3月に発生した地滑りで、同市は2012年7月3日、5世帯17人のうち、1世帯5人の避難勧告を解除した。これにより、土砂で家屋が倒壊した4世帯12人を除いて避難勧告はすべて解除された。市は、応急的な災害対策が概ね完了したとして、地すべり災害対策本部を廃止した。

県道から土砂が撤去された地すべり現場(2012年7月3日撮影)。写真下部を右から左へ県道があり、左の建物が今回避難勧告が解除された家(クリックで全体表示)
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今回解除された1世帯は、地滑り先端部の土砂が押し寄せた県道の脇に住家が残っている世帯。県や市は6月下旬までに県道上にあった土砂や倒壊家屋の撤去を行い、安全確認後、市は電気や電話などライフラインの復旧作業を実施し、作業が終了したため今回避難勧告を解除した。

2012年3月7日に発生した今回の地滑りでは、住家4棟、非住家7棟が倒壊するなどの被害が出て、最大で同集落の21世帯83人に避難勧告が出された。県が地滑り原因とされる地中の水を抜く作業を行い、土砂の進行が収まったことから、市は5月21日にも16世帯66人の避難勧告を解除していた。

残る4世帯12人には避難勧告が継続されている。いずれも倒壊した家に住んでいた人で現在は市内の公営住宅などで生活している。県は年内に倒壊した住宅があった場所の土砂の撤去を完了させ、その後、市が住民の意向や生活再建の状況などを勘案した上で勧告解除を検討する。

災害対策本部を廃止したため市は板倉区総合事務所に相談窓口を設置し、県と連携して被災者支援を行う。

↓国川の地すべりに関するこれまでの記事
https://www.joetsutj.com/articles/51880963