上越市の夏のポスターは「にぎわっていない海」

♪今はもう秋 誰もいない海……♪

ちょっと古いが、1970年にトワ・エ・モアが歌って大ヒットした曲「誰もいない海」をこのポスターのBGMに流したらぴったりかもしれない。

上越市内にある4海水浴場の誘客ポスターがこのほど完成し、県外の施設などにも掲示されるが、今年のポスターの大きな特徴は「にぎわっていない海」である。

2012年夏用の海水浴ポスター
kaisuiyoku_w

ポスターには6枚の海の写真が使われているが、人物は3人だけで、そのうち大きく写っている少女は洋服を着て波打ち際に立つ後ろ姿である。あとはカモメが1羽のみ。

|

過去3年間の海のポスターを見ると、すべてにぎわっている海の写真が使われている。おそらく、今年のポスターは写っている人数の最少記録だろう。

ポスターは上越観光コンベンション協会が、上越市の「シティ・イメージ・アドバイザー」を務める同市出身の日本画家、柴田長俊さんにデザインを依頼した。柴田さんは本年度、同市の各種観光イベントのポスターのデザインを年間を通じて手がけており、今春の「高田城百万人観桜会」のポスターでは、高田城の写真を使わないという前代未聞の大胆なデザインで度肝を抜いたばかり。海水浴場の誘客ポスターに、「にぎわっていない海」の写真を使っても何ら不思議はない。

同協会によると、今回のデザインは、海水浴だけでなく、「ちょっと海まで。」と夕日や砂浜など上越の海のさまざまな楽しみ方をすすめるものだという。人が少ないのは「モダンなデザインで、見る人のイメージが膨らむ」という意図だとう。

「3人しか人物がいない海水浴場のポスター」は全国的にみても珍しいはず。上越観光コンベンション協会が、このポスターをテレビ局などに売り込み、取り上げられれば、狙い通りになるはずだが。

過去3年間の海水浴ポスター

2011年の海水浴ポスター
2011umi

2010年の海水浴ポスター
2010umi

2009年の海水浴ポスター
2009umi