人気お笑い芸人の親が受給していたことを巡って最近何かと問題となっている生活保護。新潟県上越市でも受給世帯数、費用ともここ数年増加している。中でも2008年のリーマン・ショック以降、失業で生活保護を受ける若年世帯が急激に増加している。
市によると、2012年3月末時点での受給世帯数は908世帯1233人。5年前の2008年度の590世帯に比べると300世帯以上増えている。生活保護にかかる費用は、リーマン・ショックの2008年度までは11億円台で推移してきたが、その後2010年度に15億2700万円、11年度には17億600万円、本年度には18億9000万円と、年に約2億円ずつ増えている。
人口1000人当たりの受給者数を示す保護率は2012年3月末時点で6.05となり初めて同市では6を超えた。保護率は都市部で高く、地方で低い傾向にあり、全国平均16.40、県平均8.27に比べて低いが、確実に受給者は増えている。
生活保護世帯は「高齢者」「傷病者」「障害者」「母子」「その他」に分類される。リーマン・ショック後、特に急増しているのが「その他」世帯。「その他世帯」が全体に占める割合は2008年度には15%ほどだったが、今年3月末時点では約28%となった。この「その他世帯」のほとんどが、働く能力があるのに失業し収入が得られない層だという。市によると特に失業して雇用保険が切れた後にも職が見付からず、生活保護に至る若年者が多いという。
5月の定例記者会見で村山秀幸市長は同市の生活保護について「リーマン・ショック後、職を探しても見付からず雇用保険が切れると同時に生活保護にならざるを得ないという状況がある。経済とリンクして雇用環境が相当厳しいということを物語っている」と厳しい状況を説明した。