高田世界館が文庫本「シグナル」の表紙に登場

新潟県上越市がロケ地になった映画「シグナル~月曜日のルカ~」が2012年6月9日に全国公開されるのを前に、原作の文庫本(幻冬舎文庫)の表紙カバーが新しくなり、映画の舞台になったクラシックな映画館「高田世界館」の写真が組み込まれた。市内の書店では「上越市にある建物が文庫本の表紙になるなんて、最初で最後ではないか」と驚いている。

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文庫本の表紙デザインは、映画のポスターに使われた三根梓さんと西島隆弘さんの2人の写真が上半分に配置され、高田世界館の建物の写真は左下にある。

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高田世界館は1911年(明治44年)、上越市本町6の現在地に建てられ、劇場「高田座」として開業した。明治末期としては珍しく、内・外装ともに洋風で仕上げられた。建物は地方都市にもたらした当時の洋風生活文化の名残を伝えるとともに、映画産業最盛期を物語っている。その後、「日活世界座」、「高田東宝劇画劇場」、「松竹館」、「高田劇場」、「テアトル高田」、「高田日活」と名称を変えながら営業を継続し現在に至っている。2011年に開業100年を迎え、営業している映画館としては国内最古級とされる。建物は現在、NPO法人「街なか映画館再生委員会」が所有しており、2012年に国の登録有形文化財に指定された。

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