映画「シグナル」 上越の4人が試写会で感動!

新潟県上越市の高田世界館(本町6)や儀明川沿いなどで2011年8月にロケが行われた映画「シグナル~月曜日のルカ」が2012年6月9日から全国公開されるのに先立ち、このほど東京都渋谷区のシアターN渋谷で試写会が行われ、映画ロケに協力した地元団体の代表者や、エキストラなどが一足先に映画を鑑賞した。谷口正晃監督に上越での試写会開催や、高田世界館での上映会実現に向け、要請も行った。

試写会での4人(左から/関川さん、増村さん、岸田さん、久保田さん)
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試写を観たのは、高田世界館の映写技師で技術指導を担当した久保田定さん(79)、エキストラながらセリフがある役を演じた関川幹雄さん(69)、上越映画鑑賞会の増村俊一会長(57)、高田世界館を管理するNPO法人街なか映画館再生委員会の岸田國昭代表(48)の4人。

試写会に駆けつけた谷口監督
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試写会会場には谷口監督も姿を見せ、4人との再会を喜んだ。

谷口監督は完成した映画について「100年という古い年輪を刻んだ高田世界館は、この映画の陰の主人公でもある。いぶし銀の建物、味わい深い映写機など、映画愛を表現するのにこれ以上の場所はない。あの味、リアリティーはセットでは無理。どうしても、映画に撮りたいと思った。表向きは青春ミステリーで、若い人に喜んでもらえるジャンルだが、日本映画の黄金期を知っているオールドファンにも楽しんでもらえると思う」と話した。

舞台となる街なかの古い映画館として設定されたのが、100年の歴史を持つ上越市の高田世界館と、2011年4月に映画上映をやめた長野県上田市の上田映劇の2館。高田世界館は全編を通じメーンの舞台となる。上田映劇は、第2スクリーンの映写室として登場する。ほかに、高田市街地の儀明川沿い、中央5の路上、南高田町の上越地域医療センター病院、吉川区の長峰池などが登場する。

112分間の上映が終わり、4人は感動の表情で試写室を出てきた。

上越映画鑑賞会の増村会長は「まさに日本版の『ニュー・シネマ・パラダイス』。スクリーン、客席、受付、映写機も含め、映画館を見事に描いていた」と話す。映写技術を指導してエンドロールに名前も出た久保田さんは「60年も映写技師をやってきて、最高の作品。感動して涙が出た。主演の三根梓さんには丸一日かけてフィルムの掛け方の指導をしたが、若いので飲み込みが早かった」と話していた。

観客の一人としてエキストラ出演した関川さんは「今はデジタルの時代になったが、これまで長い間映画を受け継いできた人がいたことを描いていた」と話す。岸田さんは「屋上から見た景色など、非常に高田の空気感が出ている映画で、とても良かった」と話していた。

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