雪国では生活道路の確保のため、除雪作業などで徐々に幅員が狭くなった道路を、雪の晴れ間をみて広げる「拡幅除雪」を行っている。ロータリー除雪車の後ろにダンプカーを配置する「後方積み(バック積み、縦列積み)」は、通行止めをせずに1車線だけ使って効率よく排雪作業を行う素晴らしい作業方法である。雪国に住んでいても、あまり見る機会がない「後方積み」の模様を動画でどうぞ。
大雪が続くと除雪車によって道路脇に押しやられた雪で高い壁ができ、徐々に道幅が狭くなる。交差点の見通しが悪くなったり、車のすれ違いに支障が出たりするほか、次の降雪に備えて堆雪スペースを確保するため、拡幅除雪が必要になる。
バックホーなどで雪の壁を崩し、ロータリー除雪車を使って雪をダンプカーに乗せるわけだが、従来の方法ではロータリー除雪車の横にダンプカーを配置(並列積み)するため、道路を通行止めにしなくてはならない。
しかし、ロータリー除雪車に投雪シュートを取り付け、後方に配置したダンプカーまで雪を飛ばす「後方積み」にすれば、1車線で作業を行うので支障が出ない。迂回路のない場所では特に威力を発揮する。
現在、この装置は新潟県が上越地域に2台配置しているだけで、上越市には1台もない。民間では田中産業が7台を所有している。同社では「軽い雪ではシューターを滑って行かない。その点、上越の雪は湿って重いので最適だ」と話している。