多くの従業員を雇用する新潟県上越地域の製造業2社の工場で、年明け早々から相次いで希望退職者の募集が行われることが2012年1月4日、分かった。妙高市栗原にあるパナソニックデバイス社新井工場では1月5日から、上越市南本町1の有沢製作所で2月6日から募集が行われる。
◇パナ新井工場は1月5日から
パナソニックはテレビや半導体事業の不振から2011年、事業再編計画を発表。新井工場では2012年1月5日から、希望退職者の募集を始める。同工場が妙高市などに伝えた。妙高市によると2011年12月26日、同工場から同市やハローワーク、県などに対し正式に説明があったという。希望退職者数は示されなかったというが、1月31日までの予定で募集が行われるという。
新井工場は1976年に操業を開始。従業員数は約1000人で妙高、上越の両市の住民が大半を占めているという。パナソニックは2012年1月1日にグループ体制の再編を実施し、従来のセミコンダクター社新井工場がデバイス社新井工場に変わった。
◇有沢製作所は2月から70人
電子部品などを製造する東証1部上場の有沢製作所(本社・上越市南本町1)は2012年1月4日、円高などによる業績低迷で70人程度の希望退職者を募集すると発表した。同社の社員数は743人。希望退職者の対象は54歳以上で、2月から募集を始める。
同社によると、円高や昨年のタイの洪水による取引先工場の被災などで携帯電話やパソコンなどのプリント基板の部品売り上げが減少。今後も円高などによる影響で製品シェアの低下が予想されることから希望退職者募集を決めたという。
対象となるのは2012年4月1日現在で54歳以上の正社員。募集期間は2月6~17日を予定している。退職日は3月31日。優遇措置として退職金に特別加算金を上乗せ支給する。同社の社員が対象で、約20社の関連会社の社員は対象外。
同社が4日に発表した2012年3月期通期連結業績予想数値の修正では、希望退職者に対する特別加算金3億5000万円を特別損失として計上し、当期純利益を5億円から1億5000万円に引き下げた。