糸魚川市のホテル業が破産申請 負債55億円

新潟県糸魚川市大野の旧ホテル糸魚川を経営していた「協栄観光株式会社」(資本金5480万円)は2011年11月10日、債権者に文書を送付するとともに弁護士に事後処理を一任し、破産申請の準備に入った。東京商工リサーチ高田支店の調べで、負債総額は約55億1000万円が見込まれる。なお、ホテル糸魚川は今年7月15日に営業を終了し、8月1日からは地元企業が「ホテル国富アネックス」として新たに営業をスタートした。

ホテル糸魚川

同社は1989年に設立、91年2月に「ホテル糸魚川」として開業し、約20年にわたりホテル業を手がけてきた。しかし、開業当初から慢性的な赤字経営が続いており、2009年3月期には債務超過額が約56億円まで膨らんでいた。

2010年にはホテルの建物について債権回収会社による不動産担保権の行使が行われ、2度の競売の結果、2011年1月に姫川温泉の「ホテル国富 翠泉閣」が落札した。協栄観光は売却決定後も営業継続を模索していたが不調に終わり、今年7月15日に全従業員を解雇した。

協栄観光は多額の固定資産税などの支払いができなくなり、今回の事態になった。11月15日に新潟地裁高田支部に破産を申請する予定。

ホテル国富は、8月1日から「ホテル国富アネックス」(http://www.itoigawa-onsen.com/)として新たに営業を始めた。