現役で方言を話せる新潟県内のネイティブスピーカーが一同に会し、お国言葉自慢を語り合う「越後弁サミット」が2011年11月13日、上越市本町6の高田世界館で開かれた。観客は上越の方言による朗読劇や、夏目漱石の「吾輩は猫である」の方言による朗読などを、大笑いしながら楽しんでいた。
村上、新発田、新潟、出雲崎、高田、糸魚川の新潟県内6地域の代表による越後弁シンポジウムでは、各地の方言の違いを知ってもらおうと、夏目漱石著の「吾輩は猫である」の冒頭部分や、「日本国憲法前文」の方言による朗読が行われた。
【新潟県内各地の方言による「吾輩は猫である」】
・村上市代表の加藤悦郎さん
「おら猫だすけ。名前はまぁーだねぇ」
・新発田市代表の松川美恵子さん
「おら猫だがねす。なめえなんてまだもろでねがねっす」
・新潟市代表の渡辺幸恵さん
「おれは猫だてぇ。名前はまだね~て」
・出雲崎町代表の外山正恭さん
「おら猫だいね。なめーなんかまだねーて」
・上越市高田代表の有沢栄一さん
「おら猫だわね。名前はまだ無いしけ、せわんないわね」
・糸魚川市代表の吉原久美子さん
「おら猫なんだけんさぁ~。名前はまだないやんだぜね」
ほかに、上越方言による朗読劇「うちののけさく」なども行われ、約85人の観客は大笑いしながら楽しんでいた。
↓はじめの基調講演では、1年前に高田方言のCD「えっちょまえの上越弁」を作成した有沢栄一さん(新潟県ことばの会会員)が、「孫は『おまん(あなた)』も知らないほど。10年、20年したらこの土地から高田弁が聞こえなくなるかもしれない」と危機感を募らせ、「お国言葉は大事な大事な文化であり、無くすわけにはいかない」などと述べた。