新潟県上越市港町1の市立古城保育園で2011年11月10日、津波を想定した避難訓練が行われた。同保育園は海から約450mの場所に位置し、津波による浸水が想定されている。職員が約80人の園児をおぶったり、手を引いたりして、津波避難ビルに指定されている近くの企業寮に向かって走った(避難の一部始終を動画で紹介します)。
同保育園は木造平屋建てで津波の避難施設としての役割が果たせない上、近くの学校まで逃げても津波到達に間に合わない。このため、市は10月に同保育園から東に約360mの場所にある、信越化学工業直江津工場の独身寮2棟を津波避難ビルに指定した。ビルは鉄筋コンクリート造り4階建て。
津波避難ビルへの避難訓練は今回が初めてで、未満児を含む全園児約80人と職員20人が訓練に参加。地震発生の放送が流れると、泣き出す園児もいた。園児たちは内履きのまま玄関に上着を持って集合し、0、1歳児は職員の背におんぶされたり、カートに入れられたりして、津波避難ビルまで走った。
避難を呼びかける放送から、全員がビルに到着するまで約7分かかった。同保育園では今後も季節や天気、時間帯などいろいろなケースを想定して、5分で到着できるように訓練を続けるという。