新潟県上越市の直江津地区を流れる天王川で2011年10月21日夕方から22日朝にかけて、魚約550匹が死んでいるのが見つかった。市は、近くにある市立水族博物館が次亜塩素酸ナトリウムを使って巨大水槽を消毒した際、排水の中和が不十分な状態で川に流れ込んだのが原因とみている。
同市の発表によると、10月21日午後5時30分ごろ、市民から「天王川で多数の魚が死んでいる」と通報があった。市職員が確認したところ、西本町3、4や中央1を流れる同川で体長5~10cm程度のマハゼやクロダイ、ウグイなどの死がいが多数見つかった。市は翌朝までに550匹を回収した。
市立水族博物館では21日午後、イルカ用のプール、マリンスタジアムの清掃作業を行った。その際にプールの消毒用に次亜塩素酸ナトリウムを使用。通常はプールの排水は調整室で中和されてから、側溝通って天王川に排出される。しかし今回、何らかの原因で中和が不十分なまま排水されたとみられる。
市立水族博物館によると、22日時点で川には泳いでいる魚も多数確認されており、関川本流では、魚が大量に死んでいるのは確認されていないという。
市立水族博物館では「中和作業など作業手順をあらためて徹底したい」としている。