SAKEまつりで牛木義隆さんに突撃インタビュー

新潟県上越市で開かれた「越後・謙信SAKEまつり」の初日の2011年10月22日、テレビアニメ化された「夢喰いメリー」の原作者であり、同イベントのマスコットキャラクターを描いた上越市在住の漫画家、牛木義隆さん(31)が、会場に姿を表した。いったい、どんな漫画家なのか。牛木さんにインタビューを試みた。

限定品のグッズを買い求める行列が続いた
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SAKEまつりのマスコットキャラクター歌瀬吟(うたせぎん)・琥珀(こはく)を扱うブースでは、ぐい呑みやクリアファイル、マウスパッド、ペーパーバッグ、ポスターなどの限定品が並んだ。午前10時の販売開始時には約50人が行列を作った。一番乗りは東京の男性で、午前5時から並んだという。

初期デザインの未塗装組み立てキットも10体弱を販売した(写真は塗装済み)
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牛木さんは、ネット上では詳しいプロフィールや顔写真などを明らかにしていないので、インタビューだけとなった。自分を飾らない気さくな人柄で、多くの質問に答えていただいたが、漫画家の大変さが十分に伝わってきた。

【牛木義隆さんへのインタビュー】

 キャラクターに採用されて3年目になりますが、感想は。

牛木 ここまで続くとは思いませんでした。3回目ともなると、キャラクターも根付いたのではないでしょうか。このイベントに来るきっかけの一つになったとしたら、うれしいですね。

 お酒と美少女キャラの組み合わせに、当初は市民の間でも違和感がありましたが。

牛木 「えっ! 何やっているイベント?」なんて思われたり、「ついに上越にも萌え化の波が来たか」と思われたりしたようです。どういう結果になるかが、ちょっと不安であり、楽しみでもありました。でも、結果的に、幅広い年齢層の人に来ていただくきっかけになりました。地元の活性化に一役かえたのがうれしいですね。

 今回、新たなキャラクターの名前が募集されましたが、作品の中に出てくるのでしょうか。

牛木 歌瀬吟が今のキャラクターになる前の、第一案のものです。お蔵入りするのも、もったいないということで使ったようですが、実は名前を募集しているのは知りませんでした。自分の漫画には出てきませんが、みんなでキャラクターを創り上げてもらっているので、生みの親としてうれしい。

 今年は「夢喰いメリー」がテレビアニメ化されて、良い年ではなかったのでしょうか。

牛木 記念すべき年かもしれないですね。決して自分は器用ではないし、今後も自分でできることしかできない。でも、できることは誰にも負けないように、一生懸命やりたい。

 1日どのくらい、仕事をしているのでしょう。

牛木 起きている以外の時間は机に向かっています。アシスタントと2人で仕事をしていますが、1日15~16時間ぐらいはパソコンに向かっていると思います。

 絵は手描きではないのですか。

牛木 下書きからフルデジタルです。漫画用の専用ソフトで描いています。紙に書いている人もいますが、今の若い世代の3~4割はデジタルです。

 デジタルだからこそ、地方にいて描けるのでしょうか。

牛木 完成原稿はメールで送れます。パソコンとインターネット環境さえあれば、描くのに何の不自由はないですね。打ち合わせとかは東京の方が有利ですが、こっちにいて不便なことは何もないです。

 上越のファンにひとことを。

牛木 地元の人が見ていてくれるのはうれしい。すぐ近くにいることを、ちょっと自慢にしてもらえるような作家になりたいですね。これからも応援よろしくお願いします。

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