上越市長がJRに信越線移設工事要請

2015年春開業予定の北陸新幹線上越駅(仮称)開設に向けJR信越線移設の事業主体が決まっていない問題で、上越市の村山秀幸市長は県ととともに2010年4月28日、JR東日本に対して脇野田駅周辺の信越線移設事業を行うことを要望した。JRは「現状では難しい」と難色を示した。

JR脇野田駅から西に約120m離れた場所に新幹線新駅が設置される。新幹線と在来線が一体化した駅にするため、路線移設が計画されている。並行在来線はJRから経営分離されるため、自ら運営しない路線の工事を行うことにJRはこれまでも難色を示してきた。

新幹線開業と同時に在来線の運営を行う県の第3セクターも移設の事業主体になることができる。県は27日に上越市内で開いた説明会で本年度中にこの三セクを設立することを表明。しかし、三セク設立後に鉄道事業認可をするなど一定の手続きが必要で、さらに移設工事には2年ほどかかると見込まれており、開業までに間に合わない恐れがある。村山市長も今月1日の記者会見で、2011年度初めには移設の認可申請をしないと新幹線開業に移設完了は間に合わないとの認識を示している。

28日、県と村山秀幸市長が県庁内でJR東日本と非公開で会談。同席した県の担当者によると、JRは「できる限り協力したいが、様々な工事が立て込んでいて、人員がさけない状況だ。だが社内でどこまで協力できるか精査しているので次の機会でその結果を伝えたい」と答えたという。