東日本大震災の被災地、福島県内で6月まで活動していた陸上自衛隊高田駐屯地(上越市南城町3)の司令らが2011年7月13日、会見を開いて現地での活動を報告した。提供写真を交えて、想像を超える被災地の惨状や原発事故による放射線を気にしながらの作業の様子などを紹介する。
会見に臨んだ第2普通科連隊の大橋秋則連隊長(左)と第5施設群長の腰塚浩貴同駐屯地司令
腰塚司令は「予期はしていたものの、想像を超える状況だった。相馬市は冠水していて道路がどこにあるか分からず地図と合わなかった」と話した。また放射性物質が大量に漏れる事故が発生した東京電力福島第一原発の半径20km圏内でも活動。「線量計を携帯しながら活動した。防護服を着ながら作業するのは訓練で経験していないので、現場に行ってノウハウを積み上げていった」と語った。
大橋連隊長は救援物資が大量に集まっている集積所に比べ、避難所には行き届いていないとして「避難所と連絡を取ってニーズに合わせた物資を送らせた」と語った。また地元の住民から「町が生き返りました」などと感謝されたことを披露。隊員4人がいわき市の中学校の入学式に招待されたという。腰塚司令も「感謝の手紙などをいただき、励みになった」と話した。
3月13日/いわき市薄磯地区での捜索活動(第2普通科連隊第1中隊)
3月16日/がれきの中を捜索する隊員(第5施設群第353施設中隊)
3月17日/相馬市日下石地区で捜索(第5施設群310施設中隊)