検証 応接室の接遇 松本元復興相の主張は正しいの?

数々の暴言で、就任からわずか9日目の2011年7月5日に辞任した松本龍復興担当大臣。7月3日、東日本大震災の被災地で村井嘉浩宮城県知事と面会した際、「お客さんが入ってくるときは、自分が入ってからお客さん呼べ。いいか。長幼の序がわかっている自衛隊ならそんなことやるぞ」と応接室での接遇について知事を厳しく叱咤したが、はたして大臣の言う接遇が本当に正しいのだろうか。7月5日午前、上越市長が応接室で客を迎える様子を取材した。

上越市役所の市長応接室
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宮城県庁と同じく、上越市役所も首長の執務室と応接室が隣り合わせの場所にある。面会時間より少し前に訪問者が応接室に入り、時間になったら市長が速やかに執務室から応接室に入る。秘書課によると、市長の面会する相手がだれでも、いつもこういった段取りで面会が行われているという。

写真左のドアが市長執務室につながる
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来客が先に待つ
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左のドアが開いて市長が出てきて面会する
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松本元復興相の言う接遇が正しいとすると、上越市の接遇もおかしいことになり、「長幼の序」が分からない対応ということになる。テレビの報道によると、松本元復興相は「先にいるのが筋だよな、お迎えするのがな、分からん。大臣室にいるときは立ってお迎えするよ」と隣に座っていた事務官に話かけていた。

執務する机のある部屋に直接客が訪問してきた場合は、松本元復興相の言うとおり出迎える格好になる。しかし、今回面会した場所は応接室。民間企業でも客を応接に通してホストが出てくるという対応はごく普通に行われている。

村井知事が翌4日の定例記者会見で「応接室にお招きし、定時に私が入った。社会通念上は正しい接遇だったと思う」と話している通りだ。