メディアに出ない日がないほど人気の戦場カメラマン、渡部陽一さんが2011年5月、上越市へ講演に来ることが決まった。渡部さんは人気が出る前の2009年7月、上越市立城東中学校で講演しており、その時は生徒から笑い声がまったくなかった。今回は独特の口調に爆笑必至だ。
渡部さんがテレビに出演するようになったのは、2009年末にTBSで放送した特番『1億3000万人の法則』が最初。ゆったりした口調と、独特の風貌がうけて、2010年に入ってから人気が沸騰。『笑っていいとも!増刊号』のレギュラーのほか、多くのバラエティー番組やイベントに出演し、メディアの寵児(ちょうじ)になった。
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。明治学院大在学中、初の海外旅行でザイール(現コンゴ)のジャングルでゲリラの少年兵に殺されかけるという体験をする。以来、フリージャーナリストとしてルワンダ内戦、コソボ紛争、ソマリア内戦、スマトラ沖地震など、132か国で取材してきた。イラク戦争では日本人初の米軍従軍取材を経験している。
城東中の講演は、創立30周年記念事業として、2009年7月14日に開催。全校生徒が参加し、渡部さんが撮影した写真を見ながら世界平和について考えた。
講演で渡部さんは、放射能を含む爆弾の被害を受け闘病生活を送るイラク人の子供の写真などを見せ、「どこの戦争地域でも最大の被害者は子供たちだ」「世界中の貧困が子供たちにのしかかっているが、必ず母親が子供を支え守っている」と力強く語った。
質疑応答の時間には、生徒から「世界平和のために大切なことは何ですか」の問いが上がり、渡部さんは「相手を思いやること」と答えた。
テレビで有名になる前の講演であり、独特の口調は今と同じだが、生徒から笑い声はなかったという。
「渡部陽一文化講演会」は上越文化会館の自主事業として、2011年5月3日午後1時から大ホールで開催する。テーマは「世界からのメッセージ ~平和と命の大切さ~」。チケットは全席指定で、1200円。発売は2011年1月15日。問い合わせは、上越文化会館025-522-8800。