高田世界館と楞厳寺が国の有形文化財に登録

国登録有形文化財を審議する国の文化審議会(西原鈴子会長)が2010年12月10日、東京都内で開かれ、上越市本町6にある国内最古級の映画館、高田世界館と、同市柿崎区芋島の楞厳寺(りょうごんじ)の本堂と山門を選び文部科学大臣に答申した。ともに国土の歴史的景観に寄与していることが理由。今後官報告示で正式登録される。市内の国登録の有形文化財は12件となる。

1911年に建てられた「高田世界館」の建物
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高田世界館は1911年(明治44)に建てられ2011年に築100年を迎える。明治末期としてはめずらしく、内・外装ともに洋風で仕上げられた。建物は地方都市にもたらした当時の洋風生活文化の名残を伝えるとともに、映画産業最盛期を物語っている。現在も映画館として作品を上映している。

建物を所有するNPO法人街なか映画館再生委員会の代表、岸田國昭さんは「登録に喜んでいる。これを機にもっと多くの人に来てほしい」と話している。

柿崎区の楞厳寺
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また楞厳寺は上杉謙信の家臣の一人、柿崎景家が開いた。現在の本堂は江戸時代中期に再建されたもので、山門は柿崎城の搦手(からめて)門を移築したとされる。
 国登録有形文化財は建築物、土木構造物などのうち原則として建設後50年が経過していること。加えて(1)歴史的景観への寄与(2)造形の規範となっているもの(3)再現することが容易でないもの――のいずれかに該当するものが選考対象。