2010年12月9日午後5時過ぎからの強風で、上越市のまとめによると、頸城区や大潟区で屋根が飛んだり窓ガラスが割れるなどの57件の建物被害が出たほか、頸城区城野腰で男性(37)が風で転倒し手や頭にすり傷を負った。新潟地方気象台は10日朝から、気象庁機動調査班として職員5人を被害のあった大潟区と頸城区に派遣し、竜巻の可能性を含め、今回の突風害でどんな気象現象が起きたかについて調査を進めている。
9日午後5時9分、頸城区のほくほく線くびき駅近くに設置された北越急行の風速計が最大瞬間風速52.4mを記録。大潟は午後5時11分に17.6m。
市防災局によると、住家の一部損壊が頸城区と大潟区で計17棟、窓ガラス破損が5件あった。非住家では、頸城区で小屋や車庫の全壊が3棟、屋根がはがれるなどの一部損壊が30軒、ガラスが割れるなどの被害が2件あった。
頸城区大谷内では公民館や集会所の屋根が吹き飛び、激しく壊れた。
大谷内の公民館の屋根がはがれて飛び、斜め向かいにある神社近くに落ちた
屋根がはげた頸城区大谷内の農事組合法人「ファーム大地」の作業所
田んぼに散乱した「ファーム大地」の作業所の屋根などなどを拾い集める従業員ら
被害は大潟区犀潟の北側の海岸から頸城区に向かう直線状5、6キロに集中している。気象台の職員はこの日午前は大潟区犀潟付近で、屋根の吹き飛んだ小屋や曲がったテレビアンテナ、海岸の様子など歩いて見て回り、竜巻などの突風の痕跡などを調査した。現場で得た所見を東京管区気象台に送り、突風害発生当時の気象レーダーなどの情報を付きあわせて、現象の解明を進めている。
鬼頭博尚気象防災情報調整官は「レーダーのデータからも、突風であることは間違いない。突風といってもこれが竜巻なのか、それ以外の突風なのか、どんな現象が起きたのか、どれくらいの規模なのか調査を進めている」と話した。