上越目指した人力飛行機 世界記録ならず

人力飛行機を研究している日本大学理工学部航空宇宙工学科のチームは2010年10月7日朝、富山湾から上越市の直江津沖を目指して、長距離飛行の世界記録更新に挑戦した。世界記録は115.11kmで直江津沖を超えると新記録になる。しかし機体は出発地点から約49kmの富山県内の朝日町沖で着水。上越市からも日大卒業生たちが船で現地に向かい応援したが、記録更新にはならなかった。

上越市の直江津沖を目指して富山新港を飛び立った日大の人力飛行機(写真・日本大学広報部提供20101007hikoukis

チームは安部建一専任講師の研究室で、2005年8月には49.1729kmの日本記録を樹立している。今回の機体は「メーヴェ2006」で全長8・4m、両翼32m、重量は34kg。

日大創立記念日にあたる10月4日朝に行う予定だったが悪天候で延期が続き、この日の挑戦となった。午前6時前に富山県射水市の富山新港を離陸。上越沖を目指して日本海上を飛行したが、主翼が折れ午前8時前に県境に近い富山県朝日町沖で着水した。

上越市在住の卒業生でつくる日大上越桜門会(高舘徹夫会長)は後輩を激励しようと、離陸とほぼ同時刻に直江津漁港からプレジャーボートで現地に向かった。

直江津から上越市在住の日大卒業生が船で応援に向かった
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船には高舘会長のほか、ともに日大出身の前上越市長の木浦正幸さんと妻の弘子さんも乗った。船が富山県に入ったところで大学関係者から着水の連絡が入り、一同は残念そうな表情。着水地点まで行き、機体の部品回収を行っていた船に近づき、大学生らに「お疲れ様」とねぎらいの言葉をかけた。

*追記 人力飛行機を操縦した26歳の男性パイロットは腰椎骨折などの重傷を負った模様。