けが人なく建物の被害も軽微 上越震度5弱

2010年10月3日午前9時26分ごろ、上越市で震度5弱を記録した地震で、上越市などによると、けが人の報告はないほか、建物への被害報告も今のところ軽微なものだけだ。

市は地震を受けて午前9時26分、稲荷善之副市長を本部長とする災害警戒対策本部を設置。関係部署が情報を収集した。市によると、この地震で市立板倉中学校の体育館の天井板1枚が落下した。国道、県道、市道の被害や、ガス、水道などライフラインにも影響はない。また、市は一時、6か所に避難所を開設したが、避難した人はおらず午後1時30分に閉鎖した。
 この地震の影響で、JRによると、信越本線の黒姫―直江津間などで運転を見合わせた。また北陸本線は一部の特急が運転を取りやめた。

上越市内では2日午後0時35分ごろと、3日午前6時37分ごろ、同52分に震度4を観測する地震が発生。また同57分にも震度3を観測するなど地震が相次いだ。同市では、気象庁が今後数日間、上越地方で地震が発生する可能性があるとしていることから、市民に注意を呼び掛けている。

板倉中体育館では天井板が落下

市立板倉中学校では体育館の天井の板1枚がこの地震によりはがれ落ちた。板は縦150cm、横65cmの大きさで、2階のギャラリーに落ちているのを職員が発見した。当時ソフトテニス部の女子生徒14人と卓球部の男子生徒6人が部活動の練習中で顧問の職員2人もいたが、ギャラリーに人はおらずけが人はなかった。同校では「練習中だったため、落ちたことも分からないくらいの状況だったようだ。ほかにも地震の影響か天井板が浮いたりずれたりしている。休み明けに対応策を考えたい」としている。

板が落ちた天井
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地震で天井板の一部が落ちた市立板倉中の体育館
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震度5弱を観測した牧区柳島で聞いた

震度5弱を観測した牧区柳島は市牧区総合事務所の周辺。車で走った感じでは普段と変わらなかったが、近くの商店では棚のペットボトルが複数本落ちたり棚のコップが転がったという。この商店の店主の男性(59)は「昨日から地域の人が山からわあーんという音と草のわさわさいう音がすると言っていた」「けっこう揺れたが、中越地震や中越沖地震より揺れはちょっと小さい感じがした。これから本震があるのか、と怖がっているお客さんもいる。非常食用にカップラーメンなどがよく出る」と話していた。
 また買い物に来ていた近に住む主婦(53)は「2階の物が落ちたりした。怖くて火を使った料理ができない。孫の子供たちには外で遊んでいるように言ってきた。また地震が来ると思うと怖い」と話していた。